ミモザの花

 ミモザフサアカシアとも呼ばれ、マメ科ネムノキ亜科の常緑高木です。本来ミモザはオジギソウを指す言葉です。昔はオジギソウなどをミモザと呼んでいたのですが、「ニセアカシア」が日本に伝わったとき、花の形が似ていることから、「ミモザアカシア」や「ミモザ」と呼ばれるようになりました。

 その後、アカシア属からニセアカシアが切り離され、アカシア属で有名なギンヨウアカシアやフサアカシアが別名としてミモザと呼ばれるようになりました。ミモザはオーストラリア原産です。日本での花期は2-4月頃が普通ですが、今の時期にも花をつけます(画像)。

 9月11日掲載のオジギソウはミモザの仲間で、触れると葉を閉じてしまう可愛らしい植物です。オジギソウは小さな淡いピンク色の花を咲かせ、今でもまだ見ることができます。触れると葉を閉じてしまうところからフランスでは「恥ずかしがり屋のミモザ」と呼ばれています。

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オジギソウ

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ヤナギバ(柳葉)ルイラソウの花

 夏になると、道路脇や空き地で青紫の花を咲かせるのが「ヤナギバルイラソウ」。ルイラソウの一種で、爽やかな青紫色とシンプルで地味な花の形が、私のような老人にはなぜかしっくりします。花期は長く4~11月です。

 ヤナギバルイラソウは一日花で、夕方には地面に落ちますが、翌朝にはまた次々と開花します。メキシコ原産の帰化植物で、園芸種はルエリアと言う名前で花の色も色々あるようです。暑い夏の涼しげな青紫色の花とは正反対に、その繁殖力は極めて旺盛です。繁殖力が強く野生化しているものをよく見かけます。

 名前の通り、ヤナギのような細長い葉をもち、その葉の脇から伸びた花柄の先に、先が5つに裂けた漏斗形の薄青紫色の花をつけます(画像)。

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「知る」と「信じる」の違い:融合と棲み分けのスケッチ

 多様な知り方、異なる知り方があり、同じものを違う風に知ることが許され、実際にそれが可能であり、さらに異なる知り方を統合することもできます。でも、多様な信じ方、異なる信じ方となると、同じ事柄を違う風に信じることが可能かどうかさえよくわかりません。私が神を信じる際の信じ方とあなたが神を信じる際の信じ方が同じか否か、いくら追及しても誰にもよくわからないのです。でも、物理学の法則や統計学の知識について、私とあなたの知り方に違いがあるかどうかはテストしてみれば容易にわかります。

 「知る」と「信じる」の決定的な違いをこのようなところに見出すのはとても自然なことに思われます。多様な知り方と一様な信じ方は知識と信念の違いとして考えられてきました。私たちは多くの信念を持ちながら生活しています。信念の多くは比較不可能で、それゆえ絶対的、孤立的なものです。伝承や伝統といった信念は頑固で、他の信念と折り合いのつくものではありません。

 科学と宗教が知識と信念のこれまでの代表例であり、具体例です。伝統的な信念の中の多神教や個々の生活信念は緩やかで、大雑把ものが多いようです。それに対して絶対的なのが一神教の信念であり、その代表がキリスト教イスラム教です。神を知る知り方は複数あっても、神を信じる信じ方は一つだけで、他の信じ方を認めないのが一神教です。神の数は一つだけではないだけでなく、他の信じ方も認めないのです。

 多様性を認め、相互に助け合うために知識はとても有効ですが、信念、特に信仰は他を排除するという意味で、有効どころか害を及ぼすものでもあります。同じ信念、信仰をもつ集団にとってそれは極めて有効でも、別の信念、信仰をもつ集団との生活は相容れず、ほぼ不可能ということになってしまいます。では、互いに相手を認める仕方にどのような工夫が必要なのでしょうか。相手と共有するのは社会構造の基本部分だけで、他は共有しないという原始的方法がこれまで取られてきました。

 様々な「知る」があり、結果である知識は統合、融合され、より深く、広い知識として命式化され、人類の共有財産になっていきます。独占、専用化などが起きても、それがわかるようになっています。でも、「信じる」は棲み分けによって、統合されることがなく、互いに相容れない主張のままです。そのため、生物進化の中の棲み分けに似て、絶滅が始終起こることになります。異なる種が競争して、一方が他方を駆逐するようにふるまうのが信念、信仰の世界であり、それは生存闘争の生物社会に似ています。ところが、知識の世界は種の境界がなく、優れたものが他を総合する仕方で知識の一般化が起きるのです。

 このような変化の違いを「棲み分けと絶滅」、「融合と持続」と呼んでもいいのではないでしょうか。とはいえ、二つは水と油の関係にあるのではなく、塩水と真水の違いといったもので、程度の違いなのだとみることもできるのです。

ハリマツリとルリマツリの花

 デュランタ(ハリマツリ、針茉莉)の名前で栽培されているほとんどはデュランタ・エレクタで、和名はハリマツリ、タイワンレンギョウ(台湾連翹)。デュランタは夏から秋にかけて藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く人気の熱帯花木です。温暖化で湾岸地域でも庭木としてあちこちで見かけます。丈夫で開花期間が長く、霜に当てなければ戸外でもよく冬越しします。

 プルンバコ(ルリマツリ、瑠璃茉莉)は、ルリマツリ属の植物。夏から秋にかけて大きな空色の花弁をつける観賞用植物です。別名はアオマツリ。ルリマツリも丈夫で育てやすい熱帯花木で、涼しげな青色の花が魅力です。

 ハリマツリもルリマツリも初夏から晩秋まで長期間にわたって次々と開花します。熱帯の植物ですが、寒さにも強く、戸外で冬越しします。庭植えにすると大きく育ち、他の植物を覆いつくすほど生育旺盛です。

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デュランタ

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プルンバコ

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ホトケノザの花

 何気なく草の刈られた空き地を見ると、あちこちにホトケノザ(仏の座)が花をつけている。ホトケノザの開花期は春だが、日当たりがよい場所では通年花を咲かせる。ホトケノザはシソ科の一年草で、薄紫色の花をつける(画像)。基本的には秋に芽を出し、越冬して春に花を咲かせる。ホトケノザの名前の由来は、葉が茎を包み込む姿が蓮華座(れんげざ、仏像を載せる蓮華の形の台座)に見立てた事から。

 ところで、春の七草の「ホトケノザ」は同じ名前の別な植物を指す。道端に生えているホトケノザは食べられない。春の七草ホトケノザは「コオニタビラコ」のことで、昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていた。

ホトケノザの花はとても変わった形をしている。花びらが分かれておらず、鳥のくちばしのような形をしている。これは「唇状花冠」と呼ばれ、シソ科の植物によく見られる形である。上下の唇で雄しべと雌しべを隠すように保護している。花粉を媒介する蝶や蜂が蜜を吸おうと下唇に乗ると、重みで花が開く仕組みになっている。

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斐太神社雑感

 妙高市の神社となれば関山神社と斐太神社。「関山権現」は修験道との神仏習合如実に示す表現ですが、斐太神社にも神仏習合が見られます。斐太神社の御祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと、八千矛神大国主の異名) 事代主命(ことしろぬしのみこと、矢代大(明)神)、 建御名方命(たけみなかたのみこと、諏訪大神)です。ここに既に習合の跡が見られます。複数の神を祭ること、複数の名前をもつことは習合の基本です。つまり、複数の神を習合して祭ること、斐太神社では事代主命が矢代大神であるという習合がここに見られるのです。

 さて、事代主命建御名方命の二人とも大国主命の子供です。そして、事代主命美保神社の祭神、建御名方命諏訪大社の祭神です。事代主命はえびす様(釣り好きの豊漁の神)であり、父親の大国主命は大黒様と呼ばれてきました。大黒様の例は神の単なる習合ではなく、異なる宗教の神々の習合の例になっています。

 えびす様は事代主命を祀ったもので、古くは「大漁追福」の漁業の神です。時代と共に福の神として「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす神となりました。唯一日本由来の神です。一方、大黒様、つまり大黒天はヒンドゥー教シヴァ神の化身マハーカーラ神で、大国主命と習合します。「大黒柱」と表現されるように食物・財福を司る神となりました。親子関係があることから大黒様とえびす様とは並んでよく描かれます。

 このように見てくると、関山神社の神仏習合と斐太神社の神仏習合は相当に性格の異なる神仏習合であることがわかる筈です。神仏習合というと日本独特の宗教現象に見えますが、習合現象は多岐にわたることがわかり、日本だけのものではないことも予想できそうです。

ヤマボウシの実

 9月になると、ヤマボウシの緑色の実が黄色味を帯びた赤色となり、膨らんできます。外皮は硬く、特徴的なイボイボがついていて、完熟すると地面に落下します。糖度15を超えるものもあるヤマボウシの実は、甘いものに目がない熊の大好物。

 生食できるのは、赤い実が触るとわらかい感じがしたときで、赤くなっているだけではまだ十分ではありません。ヤマボウシの実が完熟して、落ちた直後の実が食べ頃なのです。

 ヤマボウシの実を生食する場合は、よく洗って外皮を剥き、やわらかい中身を食べます。中には種がありますが、それは食べないこと。また、洗った実を冷凍し、シャーベット状になった実もおいしいです。とはいえ、一番「おいしい」のはヤマボウシのジャムでしょう。

*最初の2枚の画像と後の2枚の画像は種類の異なるヤマボウシです。湾岸地域にはヤマボウシの様々な園芸種がみられます。

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