コリウス、というよりシソ

 コリウスは、シソ科コリウス属の植物の総称。和名は金襴紫蘇(きんらんじそ)、錦紫蘇(にしきじそ)と煌びやかである。熱帯アフリカ、熱帯アジア、オーストラリア、フィリピンに分布する。色鮮やかな葉が特徴。とんがった紫色の花とともに秋によく見かける。
 ところで、本家のシソは、ヒマラヤやビルマ、中国に自生するハーブ。葉は紫色か緑色で、秋に紫や白の花を咲かせ、冬になると枯れてしまう。日本へは中国を経由して縄文時代に伝えられたとされ、奈良時代から栽培されるようになった。もともとは薬草として利用されていたが、室町時代から食用になった。中国の後漢時代に、カニを食べ過ぎて食中毒を起こした若者が、シソの葉を煎じて飲んだところ健康を取り戻したという逸話から「紫色」の「蘇る葉」だということで「紫蘇(シソ)」と名付けられた。
 子供の頃のシソといえば、梅干しに使われたアカジソで、味も香りも嫌いではなかった。アカジソは裏庭や道端に自生していて、八百屋で買うものではなかった。不思議なことに子供の頃の私はアオジソも大葉も知らなかった。「大葉」はアオジソを葉の形状のままハーブとして使う場合に使われる呼称。子供の私にはシソはアカジソを意味し、「大葉」という言葉すら知らなかった。

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