冬に出る芽

 マングリエティア・インシグニス(Manglietia insignis)はモクレンモクレンモドキ属の常緑高木。モクレンモドキ属は世界に25種分布し、インシグニスは中国の西部からヒマラヤ、ミャンマーにかけて分布します。和名は木蓮擬き(モクレンモドキ)、別名がベニバナモクレン(紅花木蓮)で、中国名も「紅花木蓮」。日本には自生せず、そのため、私が花を見たのは数年前のことです。私が知るモクレンモドキの花は白です。

 モクレンモドキの花はモクレン、コブシに似て、私たちを虜にするような見事なものです。ハクモクレン、コブシの白い花が咲き終わると、モクレンの紫の花が咲き、モクレン科の花たちのパレードが続きます。

 毛におおわれた芽鱗(がりん)に包まれている冬芽(ふゆめ、とうが)は、葉を落とした枝についているカプセル状のものです。冬芽を分解すると、中には小さく折りたたまれた葉や花の蕾が入っています。モクレン属のコブシ、ハクモクレン、ヤナギ属のネコヤナギの冬芽はよく知られています。コブシやモクレンの花穂を連想させるのがインシグニスのコーヒー色の芽で、冬の陽の光を浴びてとても暖かそうに見えます。

コブシ

ハクモクレン

ネコヤナギ