ナンキンハゼの種子

 湾岸地域では街路樹や公園樹としてナンキンハゼ(南京櫨)がよく見られ、既に何度か報告しました。初夏に咲く黄色い花、秋に熟する緑の実、美しい紅葉は見事です。新緑は明るい緑で、夏以降もそれほど濃い色になりません。紅葉はオレンジから紫、赤など様々に変化します。秋からできる実(画像)は落葉後も木に残り、寒くなるにつれて殻が割れ、中から白い種子が飛び出します。画像はその白い種子が樹木全体についたものです。

 ナンキンハゼは名前の通り中国の中南部が原産地で、種から蝋を採る有用樹として江戸時代に長崎を経由して日本へ来ました。「ハゼと同じように蝋が採取できる中国の木」という意味でナンキンハゼと命名されたと言われています。ところで、ナンキンハゼの蝋燭作りは簡単です。白い種子を集め、水をたっぷり入れて、とろ火で、まわりの蝋がすべて溶けて黒い種が見えるまで炊きます。溶けて浮いた蝋を集め、固めます。蝋は薄い黄色を帯びた塊になり、芯を入れれば出来上がりです。

 昨日は雌雄異株のクロガネモチについて述べましたが、ナンキンハゼは雌雄同株ですが,花には雄花と雌花があり,同じ株に両方が咲きます。ところが、雄花と雌花が咲く順序によって、雌花先熟株と雄花先熟株の二つのタイプがあります。この辺の話はまとめて明日話すことにしましょう。

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