カラスウリ

 三つ目通りの端、辰巳の歩道の植え込みの中に小さい白い花が見えた。蔓が伸び、その先に見える花は萎んでいる。やはり白く細いレースのような糸が萎んだ花と絡み合っている。カラスウリである。確かカラスウリの花は夜だけ開き、朝には萎んでしまうことを聞いた憶えがあった。
 うろ覚えの記憶を確かめてみると、カラスウリとキカラスウリの両方とも夕方に花が開き、カラスウリは朝に萎むが,キカラスウリは夜が明けても咲いているとのこと。私が見たのは葉の形からカラスウリのようだ。こんな目立つ花になった理由は、スズメガの仲間に花粉を運んでもらうため。白い花をつけ、良い香りを漂わせ、夜行性のガを引き寄せる。カラスウリの花筒は長く、長い口吻を持ったスズメガでなければ花の奥の蜜に到達できないためである。
 カラスウリの花期は7月から8月にかけての一か月ほど。カラスウリの実を、烏が好んで食べることから「烏瓜」と呼ばれる。晩秋の葉の落ちた山林で目を惹くオレンジ色のカラスウリの実はとても印象的だが、それに負けないくらい夏の夜に咲くカラスウリの白い花も魅力的である。暮れ出すと、蕾だった花が開き始める。1時間程かけてすべて開くと、見事な花に変身である。

*最初の画像二枚は私が撮ったものだが、半ば開いた花の三枚目の画像は(https://matsue-hana.com/hana/karasuuri.html)から、最後の花の画像は(https://beyond-ecophobia.com/trichosanthes-cucumeroides-2/)から借用したものである。

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