トケイソウの花

 5,6月に入ると、いつもトケイソウの花が気になり出します。今年は今まで見たことがない場所で花を発見しました。以前と同じように、フェンスに蔓が巻きつき、丸い時計の文字盤のような花が見え、何とも壮観です。私にはデカルト機械論の象徴だった時計のイメージが強く、美しい花というより、デカルト風「植物機械論」を象徴しているように見えるのです。

 トケイソウ(時計草、パッションフラワー)はトケイソウトケイソウ属に分類される植物の総称で、種の数は500を超えます。トケイソウはその花の形を時計の文字盤に見立てたことからつけられた名前で、特徴的な造形美のある美しい花をもつ熱帯植物。萼片と花弁がそれぞれ5枚ずつあり、同じ色と形なので10枚の花びらがあるように見えます。色は白が多いのですが、ピンクが交じったものなど様々。

 江戸時代初期に渡来したパッションフラワーのパッションは「キリストの受難」を意味しますが、花の形を十字架にかけられたキリストに見立てたものです。また、トケイソウ属の中には果樹栽培用のものもあり、その果実がパッションフルーツです。