イヌホオズキとワルナスビ

 二つはよく似ていて、以前私もワルナスビをイヌホオズキ(犬酸漿)と間違えてしまった。特に、花だけ見ていたのでは区別しにくい。むろん、二つを直接に見比べるなら、容易にわかるのだが…兎に角、どちらもナス科ナス属で、イヌホオズキの別名はバカナス。

 ワルナスビの花は直径が約3.5cmあるのに対し、イヌホオズキは約1cmと小さい。イヌホオズキは毛が目立つが、棘は見当たらない。それに対し、ワルナスビは全身鋭い棘があり、不用意に掴むと痛い。

 イヌホオズキは茎が暗紫色になることが多く、上向きの曲がった毛がある。葉の両面に屈毛があり、葉裏の脈にも屈毛がある。花は一つの房に総状に集まってつく。その実は未熟な緑色のときにも光沢がほとんどなく、熟して黒くなっても光沢は少ない(画像)。

 アメリイヌホオズキは北アメリカ原産の帰化植物で、戦後日本に入ってきた。イヌホオズキ より茎や葉が細く、花の色は薄紫。他にもテリミノイヌホオズキ、オオイヌホオズキ、ケイヌホオズキがあり、やはり識別は簡単ではない。

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イヌホオズキ

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ワルナスビ

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イヌホオズキの実