早春のツバキの花たち

 サザンカやカンツバキの花に飽き出し、ツバキの花を待っていた人たちにはその花を愛でる時期になっています。それにしても湾岸地域にはサザンカだけでなく、カンツバキやヤブツバキが数多く植えられています。いずれも常緑で、冬に花をつける木は少ないためか、随分と重宝されています。

 落ちたツバキの花の姿は生死の姿をそのまま具現していて、いつも考えさせられます。何輪も歩道に散らばっていると、時には花の命の惨めささえ迫ってきます。ところが、芽吹いた春の草の中に散らばる花には悲惨さより希望さえ感じてしまうのです。いずれであれ、私にはツバキの花は生と死を美しく際立たせてくれるようです。

 ツバキもサザンカも多くの花をつけますが、私たちが美しいと感じる花は決して多くはありません。でも、ツバキやサザンカにとって私たちの基準はどんな意味を持っているのでしょうか。画像のツバキの花たちは私が勝手に選んだ花でしかなく、昆虫から見れば、花の美に対する私たちの感性や態度は私たちだけが持つ偏見に過ぎないのかも知れません。とはいえ、画像のツバキはどれも印象的な花姿を持っています。

*最後の画像の昆虫はホソヒラタアブ