さらに、梅

 なんと我が家の隣にも梅の花が咲いている。これもまた早咲きで、見事な花である。梅の花となれば、すぐに連想するのが次の歌。

東風(こち)吹かば思いおこせよ梅の花 主(あるじ)無しとて春な忘れそ

f:id:huukyou:20180130060012j:plain

 菅原道真都落ちの時の悲しみの歌だが、受験生が湯島や亀戸の天神様に合格を祈願しに行っているのが今頃。新島襄漢詩を紹介したが、道真は梅を得意の漢詩ではなく敢えて和歌に詠んだ。桜はひと息に咲き、さっと散るのに対し、梅は咲いた後もしばらく咲き続ける息の長い花。中国から来た梅よりも桜の潔さを好む人が多いが、多くの漢詩を愛し、自らも漢詩を詠んだ菅原道真には、梅が心の華だったのだろう。