ヤマボウシの花は、花びらのように見える白い4枚の総苞(そうほう)が美しく、その素朴で凛々しい姿を好きな人がたくさんいます。そのためか、ハナミズキと並んでよく公園で目にします。ヤマボウシは日本原産で、ハナミズキは外来種。明治45年に東京市長がワシントンに桜の木を贈りますが、その返礼として送られてきたのがハナミズキ。ハナミズキの別名は「アメリカヤマボウシ」。
ヤマボウシは、6、7月頃に花が開き、9月頃に果実を実らせます。ヤマボウシの実は、皮が赤色やオレンジ色で果肉は黄色をしています。熟すと地面に落下し、そのまま皮を剥いて生でも食べられます。果肉には小さな種がたくさん入っていて、味は甘く、マンゴーやバナナの味に似ています。でも、その外観は食欲をそそるようには見えず、食べられることを知っている人は少ないようです。ヤマボウシの実はビタミンやカロチン、アントシアニンなどを含み、乾燥させれば下痢や腹痛にも効きます。