ものとその名前(7):ノースポール

 カンシロギク(寒白菊、学名Leucanthemum paludosum)、またはノースポールはキク科フランスギク属の半耐寒性多年草。「寒白菊」も「ノースポール」も共に指示対象の外観を叙述的に表現した名前である。パンジーヴィオラなどと共に、春先から初夏までの庭を彩る主役になっている。

 和名は真っ白な花が北極を連想させることに由来するが、サカタのタネの商品名で、それが一般名として定着している。私たちの日常生活の中には商品名がそのままものの名前として使われている場合が相当ある(*)。

 花だけ見ると、ノースポールとマーガレットはよく似ている。花だけでは私は区別できないが、葉の形はかなり違う(マーガレットの葉は木の枝のように見える)。また、マーガレットが3月から6月に咲くのに対し、ノースポールは12月から5月。

*「ボールペン」は英語の「ballpoint pen」の「point」を略した和製英語。point(先端)にball(小球)がはめ込まれていることから、命名された。1884年ボールペンを最初に発明したのはアメリカのジョン・ラウドだが、1943年ハンガリーのラディスラオ・ピロによって改良され、1950年代から市場に出るようになった。