2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「無知の知」と知ったかぶり

(1)知っていることを知る(知の知)(2)知っていないことを知る(無知の知) 「何」を知っているか、とソクラテスに問われれば、その答えは、人の名前、計算の仕方、離婚の理由といった諸々のもの。その諸々のものは直ぐわかるものから、暫し考えてからで…

マンション街のモクレン

モクレン(木蓮、木蘭)はモクレン科モクレン属の落葉樹。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。外側が紅紫で内側が白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代中期に編纂された『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』にその名が…

自然の都合、人の都合

「生物種とは何か」という問いはSpecies Problemと呼ばれて、20世紀の生物学の哲学では主要問題の一つだった。私たち一人一人は生物個体(individual organism)と呼ばれるが、人間はHomo sapiensと呼ばれる生物種(biological species)でもある。私たち人…

ミツバツツジ

ツツジやサツキの開花はまだ先だが、ミツバツツジが既に咲いている。三枚の葉を持つのでミツバツツジ(三葉躑躅)と呼ばれ、まだ緑の少ない野山に淡い紫色の花が鮮やか。関東から中部に分布する落葉低木で、淡い紫色の花を咲かせ、開花後、あるいは同時に葉…

風狂老人日記

<筆はじめ> 「物語」と「理論」と並べられると、二つは相容れない性格をもっていて、あれかこれかの対立とつい捉えてしまう。すると、悲しいかな人は「いずれが優位なのか」などと問うてしまうのである。日常生活を起点に考えるなら、物語と理論とをまとめ…

シャクナゲ

昭和世代なら「シャクナゲ」と言われると、シャクナゲ自体より「しゃくなげ色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空」という一節を思い出すのではないか。「夏の思い出」に登場するシャクナゲ(石楠花)は高山種の花木。だが、それが最近は公園でもよく見かける…