多くの人はツル、サギ、トキの順に親しみをもっているように思われる。今の私の関心はサギ、それもアオサギにあるが、その理由は冥界と顕界をつなぐ役割をもってきた生き物の一つに思えるからで、健康的なツルに比べると、サギ類は妖しい魅力を持っている。だが、もっと気味が悪く、邪悪な印象さえ与えるのがトキで、心が「トキめく」ことなどないというのが私の印象である。だから、トキめき鉄道でトキが見えたら、私には絶景も興醒めになるに違いないのである。
トキの画像は特段気味悪いものではないが、江戸期に描かれた画像はやはり不気味に思える。『華鳥譜』(森立之編、服部雪斎画、1861(文久元年)にトキの画像がある。日本在来のトキは絶滅したが、江戸時代には広域に生息し、江戸でもその姿が見られた。『華鳥譜』は福山藩医で、国学者の森立之(たつゆき)が服部雪斎に描かせた食用鳥類61種の図説(「食用」に注意)。服部雪斎(1807-没年不詳)は江戸時代後期に活躍した博物学画家。他の鳥たちの画像は電子展示会(https://www.ndl.go.jp/imagebank/theme/sessaikacho)を参照してほしい。
*いずれの画像も『華鳥譜』からのもので、順に「しろつる」、「さき」、「あおさき」、「とき」。



