依り代としてのサカキ、ヒサカキ、そしてマサキについて記しましたが、それらに似ているのがアオキです。緑の葉と赤い実のアオキは古くから神秘的な植物として人々の生活に関わってきました。アオキは多様な民間信仰の対象とされ、魔除け、厄除けに使われてきました。常緑樹であることから、冬でも枯れない生命力の象徴とされ、神が宿ると考えられ、神事に使われてきました。
雪の中のアオキやナンテンの赤くなった実は子供の頃の記憶として今でも鮮明に憶えています。青い実が次第に色づき、冬にはすっかり赤くなり、そこに雪が降ると、赤と白、さらに葉の緑が重なり、見事な配色が生まれるのです。初雪の便りを聞くと、子供の頃に雪の積もった白い庭のアオキやナンテンの赤い実が思い出されます。 雪の中のアオキの赤くなった実は子供の頃の記憶として今でも鮮明に覚えています。アオキの赤が鮮烈なのは、私が思うにアオキの若い実だけでなく、葉も茎も緑であるからです。冬になり、雪が降ると、アオキの赤い実は強烈に自己主張をしてきます。雪中の赤い実は子供の頃に故郷で焼き付けた貴重な記憶です。
アオキ(青木)はアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ことから。葉は大きいものでは20cm程度になります。葉の形は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯があります。その実は卵形の液果で、秋から冬に赤く熟します(画像)。大きさは2cmほどで、春までには鳥に食べられるか、落ちるかします。熟して一か月ほどで採食されるようで、ヒヨドリの渡りの時期と一致します。アオキは江戸の昔から盛んに栽培されてきました。実際、湾岸地域でもあちこちに植えられています。


