ヤツデの開花時期はちょうど今頃(11月~12月)で、白い花は直径5mmほどの5弁花です。ヤツデの花は花の一番上から開花してゆきます。そして、花びらを開くと、雄しべが現れ、これが雄性期です。数日後、花びらとおしべは落ち、次に雌しべが熟して雌性期になります。つまり、一つの花が雄性期から雌性期へと変化するのです。このように雄しべと雌しべの成熟する時期がずれているのは、同じ花の花粉が雌しべに着くことを避けるための工夫で、近親交配をすると性質の劣る子孫ができる可能性が高いからです。ヤツデの花は花粉を運ぶ昆虫が少ない12月に花をつけます。この時期のハエやアブを独占するのがヤツデの戦略で、ヤツデはこの開花のズレを巧みに利用しながら、昆虫たちを惹きつけています。
以上のことを優等生風にまとめましょう。ヤツデの両性花の開花時期、そして、雄性期から雌性期への変化は、花の集団が規則性をもち、昆虫たちと相互作用を繰り広げながら、適応生活を営んでいることを示しています。ヤツデのこの驚くべき才覚は画像のヤツデの画像からは想像もできない自然の企みだと感心するとともに、植物、そして生物への関心を高める機会にしたいものです。

