ナンテンの赤い実は和風庭園の定番。ナンテンの和名は漢名の「南天燭」の略で、樹高は2mから4〜5mほど。初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬に赤い実をつける(画像)。ナンテンは「難を転ずる」ことに通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきた。乾燥した実が「南天実」で、咳止め剤として利用されてきた。
ナンテンは古くから栽培され、江戸時代から100種以上の園芸品種がつくられた。白い実を付けるシロミナンテン、葉が糸の様に細くなるキンシナンテンが代表例。湾岸地域でよく見るオタフクナンテンは紅葉が美しく、植え込みや庭木として広く植えられている。ナンテン属のオタフクナンテンも園芸種。名前は葉が丸くふっくらしていることからで、別名のオカメナンテン(お亀南天)も同じ意味。オタフクナンテンは背が高くならない「矮性」の品種で、取り扱いが簡単で、赤い葉が美しいため、カラーリーフとして公園、歩道などの植え込みに幅広く利用されている。私がオタフクナンテンを知ったのは湾岸地域に移ってからのことで、今はいつも紅葉を楽しむことができる。ナンテンは冬に紅葉、あるいは落葉するが、オタフクナンテンは落葉せず、冬はさらに赤色が鮮やかになる。赤くなった葉はその後少しずつ減色し、緑色に戻る。江戸時代に品種改良された園芸種で、ナンテンと違って実はつかない。
初雪の便りを聞くと、田舎の家で子供の頃に白い雪の庭で見たアオキとナンテンの赤い実を今でも思い出す。白い雪が赤い実をつけたアオキやナンテンに積もり、白と赤のコントラストが息をのむほどに美しかった。
*最後の画像はナンテンの赤い実


