ナス科のクコ（枸杞、Lycium chinense）は東アジア原産の落葉低木。夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋に赤い実をつけます（画像）。クコの実は熟しても、自然に落ちることが少なく、長い間木の上に残ります（翌年の花期に熟すため、花と実が一緒にできるように見える）。
クコは漢方の大切な薬として知られ、三世紀の中国最古の医学書『神農本草経』に既に登場しています。クコの葉は楕円形でやや丸みを帯び、果実は甘味の他にやや苦味があります。クコは日本全域（北海道を除く）、中国、朝鮮半島などに自生し、果実（枸杞子）、根皮（地骨皮）、葉（枸杞葉）は薬用として利用されてきました。
クコとナガバクコ（長葉枸杞、Lycium barbarum）はどちらもナス科クコ属の植物ですが、ナガバクコの葉は細長い形で、果実は甘味が強く、苦味はほとんどありません。中国の西北部で栽培が盛んです。クコと同じく、果実、根皮、葉は薬用となっていて、果実はスーパーフードとして人気があります。
＊画像は葉の形からクコだとわかります。なお、画像の果実は昨年のものです。
