蝶にはオオムラサキ、コムラサキがいて、植物にはムラサキシキブ(紫式部)、コムラサキ(小紫)があり、紫色の役割が浮かび上がってくる。
コムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、北海道及び青森を除く日本各地の山野だけでなく、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなり、いかにも木という感じだが、コムラサキは樹高が1.5m程度に収まり、始末が容易で、広く親しまれてきた。そのためか、コムラサキは湾岸地域でもポピュラーで、よく見かける。
私にはムラサキシキブとコムラサキを花や実で識別する自信がない。コムラサキはムラサキシキブよりも樹高がずっと低く、枝は枝垂れる。植物全体としてはムラサキシキブの方がずっと大きく、確かに区別できるのだが、花や実だけでの区別はとても厄介である。だから、花や実はよく似ているが、木としては随分違うというのが私の判定。
ムラサキシキブは花や実が葉柄の付け根についているのに対し、コムラサキは花や実が葉柄の付け根からほんの少し離れてついている、ムラサキシキブは実と実の間が開いているが、コムラサキの実は密集している、ムラサキシキブは花軸(花や実が付く枝や茎のこと)と葉との隙間がないが、コムラサキはその隙間がある、等々言われるが…



