ヒマワリは北アメリカが原産で、コロンブスのアメリカ大陸発見以前には、他大陸にはなかった植物です。ヒマワリがヨーロッパへ運ばれたのは1564~1571年の間で、スペインの王立植物園で最初に花を咲かせました。そのヒマワリが今年も元気に咲き出しています。高温の炎天下のヒマワリには脱帽です。
小さな花が集まり、一つの花のようになっているのがヒマワリで、タンポポの花によく似ています。大きなヒマワリの花は小さな花が1500個も集まったものです。ヒマワリの花は外側に大きな花びら(花弁)があり、内側には丸い粒が見えます(画像)。この粒が実は小さな花(管状花)なのです。筒のような部分が花びらで、成長するにつれて茶色のおしべが筒から現れ、やがて、おしべの上に、黄色の先が丸くなっためしべが現れます。筒の下には子房もあり、種もできます。小さい花は外側から順に咲き出すため、花全体を眺めると外側はめしべの黄色、少し内側はおしべの茶色が目立ちます。
こうして、一つの花に見えるヒマワリは外側が黄色い大きな花弁をもつ舌状花、内側には小さい筒状花がびっしり並んだ花の集合体であることがわかります。筒状花は外側から内側へ数週間かけて順番に開花するため、昆虫が花を訪れて受粉をする確率が高くなり、種もたくさんできるようになります。ヒマワリの筒状花一つに一個の種ができますから、ヒマワリ一本で作られる種の数は1500~3000個ほどになります。つまり、一粒の種から1500~3000個の種が収穫できるのです。
何とも味気ない話ですが、こんなことを知った上でヒマワリの花を眺めると、夏のヒマワリの景色が微妙に変わってくるように思えるのです。こんな暑い中で、太陽に対峙しながら花を咲かせるヒマワリの強さに意志のようなものを感じてしまうのです。


