ラッパ形の大きな花を咲かせるノウゼンカズラ(凌霄花)は遠くからでもよく目立つ。花の盛りは盛夏だが、初秋まで次々と花をつける。中国原産のツル性植物で、古くから観賞用に植えられている。貝原益軒の『花譜』(1694年)には「花を鼻にあてて嗅ぐべからず、脳を破る。花上の露目に入れば目暗くなる」と書かれている。中国では、妊婦がこの花の下を通るとよく流産するという古い言い伝えがある。
中村草田男の句に「凌霄(のうぜん)は妻恋ふ真昼のシャンデリア」があるが、私が湾岸地域で見るアメリカノウゼンカズラの印象はそれとは程遠い。ノウゼンカズラの近縁種がアメリカノウゼンカズラで、近年よく栽培されている。花の赤みが濃く、筒部が長いのが特徴。トランペットの広がりが小さいので、別名コノウゼンカズラとも呼ばれている。北アメリカ原産で、ケンタッキー州の州花。ノウゼンカズラは花がラッパ状に開くが、アメリカノウゼンカズは筒部が細長いトランペット形である。


