ヒトは雌雄異体の両性生物の筈ですが、「近年のLGBTの運動を見ていると、人は雌雄同体、雌雄異体が入り混じり、個体が成長に応じて雌雄を自ら選択できる自由を求めているように見えなくもありません。」と「アカメガシワの花」で述べました。そこで、雌花と雄花の違いを別の例で確かめておきます。
アオキ(青木)はアオキ科アオキ属の常緑低木で、既に何度か紹介してきました。「アオキ」という和名は常緑で枝も青いことからつけられました。5月のアオキを見ると、枝先に小さな花の塊のようなものが見えます。近づいて、観察すると、そこにはアオキの雌花と雄花があります。
アオキはアカメガシワと同じように雌雄異株で、雌株には雌しべだけで雄しべのない雌花が付き、雄株には雄しべだけの雄花がつきます。当然ながら、実を結ぶのは雌株の方です。花は褐色を帯びた紫色で、枝先の円錐花序に穂のように花をつけます。雄花は淡黄色の葯をもつ4本の雄しべがあり、雌花は緑色の花柱があります。雌株の方が花序は小さく、花が少なく、雌花の花弁は4枚で、雄しべが退化してありません。一方、雄株の花序は大きく、花の数もたくさんあります。雄しべは4本で、雌しべの痕跡があります。

(雌花)

(雄花)