オオカワジシャの花

 クワガタソウ属(Veronica)のオオカワシヂャについて昨年何度か記しました。オオカワヂシャ(大川萵苣)はヨーロッパからアジア北部が原産で、特定外来生物として定着しています。オオカワヂシャは川辺や水路に群生し、オオイヌノフグリとよく似た花をつけますが、同じクワガタソウ属の植物です。

 日本在来のカワヂシャが環境庁のレッドデ-タリストに準絶滅危惧種として載っているのに対し、オオカワヂシャはあちこちで繁茂しています。カワヂシャの名の由来は若葉がチシャのように食べられることから「川に生えるチシャ」と呼ばれたことにあります。レタスはヨ-ロッパが原産で、現在の結球したレタスではなく、葉や茎を食べる野菜で、中国を経由してチシャの名で日本に伝わりました。一方、品種改良され、結球したレタス(玉ヂシャ)が江戸末期にアメリカ経由で入ってきて、今ではこれがレタスと呼ばれています。

*チシャはキク科アキノノゲシ属の野菜で、レタスの和名、そしてレタスの総称です。チシャは奈良時代に中国から伝来。当時は茹でて食べていました。戦後は玉レタスの普及で栽培量は減りましたが、焼き肉を包んで食べるため、再び栽培量が増えています。

**オオカワヂシャはオオイヌノフグリとよく似た花をつけますが、二つは同じ属の植物です。でも、葉の形は違っていて、オオカワヂシャがオオイヌノフグリやベロニカの園芸種とは違うことがわかります。