湾岸地域に多いのがハナミズキとヤマボウシで、共にミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木。二つはよく似た花をつけますが、花期は4～5月がハナミズキ、5～6月がヤマボウシで、今はヤマボウシの花が咲いています（画像）。
ヤマボウシは日本原産で、「山法師」という名はその特徴のある花序を「山伏」の頭巾に見立てたものです。一方、「ハナミズキ」は北米原産で、1912年にアメリカに贈ったソメイヨシノの返礼として日本に贈られました。
ハナミズキとヤマボウシはよく似た大きな花序をもっています。4枚の大きな花びらのように見えるのは総苞片で、その中心に本来の「花」が集まっています。サクラの花と同じように、ハナミズキの花はまだ新葉が出る前から咲き始めます。一方、ヤマボウシはハナミズキよりも半月ほど遅く、葉が出た後に上向きに花がつきます。
画像はヤマボウシの花に来たミツバチと小さなヒメマルカツオブシムシです。マーガレットやデージーなどの白い花、シーツや布団などの白っぽい洗濯物によく集まるのがヒメマルカツオブシムシ。画像のように白色と茶色のまだら模様をもつ小さな甲虫で、鰹節が大好物、それが名前の由来です。幼虫の食性は幅広く、鰹節の他、煮干しなどの動物性の乾燥食品や、羊毛や絹を用いた衣類、毛皮などを食べる厄介な虫です。最後の画像はマダラガ科のブドウスカシクロバの成虫です。春に出現し、果樹園のブドウにとっては幼虫が害虫で、ブドウの葉を食べてしまいます。
