アミガサタケ発見!

 アミガサタケ(編笠茸、Morchella esculenta)はアミガサタケ科アミガサタケ属に属し、トリュフと同じ子嚢菌類のキノコ。春に人里近くに生え、頭部が深い網目状になるのが特徴(画像)。ヨーロッパで人気のある食用キノコ。

 キノコの季節は秋だが、アミガサタケは3月下旬から5月ごろの「春」に発生。山の中より道端の肥えた草むらや公園、林道の側溝の周りなど、人の生活環境に近く、腐植に富む場所で見つかることが多い。実際、私が遭遇したのも団地の自転車置き場の裏。また、イチョウやサクラなどの特定の樹種の周辺にもよく生える。

 アミガサタケは「ブラックモレル」と「イエローモレル」の二つに大別され、前者は頭部が黒褐色で頂部が尖り、後者は頭部が黄や茶色みを帯びたものらしいが、初めて実物を見た私にはいずれかよくわからない。大きいものは高さ10㎝を超え、頭部と柄の内部はつながっており、内部は空洞なので見た目よりも軽い(内部は画像参照)。

 一般的なきのこは傘の裏にあるヒダで胞子を形成するが、アミガサタケは頭部の網目を思わせるくぼみの表面に、子嚢胞子を形成する。欧米では「モリーユ」あるいは「モレル」などと呼ばれ、いわゆる日本の松茸のような位置付けで、高値で取引されている。肉質は脆いが湯がくと弾力が出る。また乾燥させてから調理すると、いっそう香りと旨みが引き立つ。干し椎茸を連想させる。加熱が足りないと食中毒の原因になるらしい。

 さて、画像を図鑑で調べ、アミガサタケだと見当をつけ、実物を採取し、細かく確認して、ようやくアミガサタケと特定したのだが、次はその味を試してみたくなるのが人の常。そこで、味も確認した訳だが、その評価についてはいずれ別の機会に譲ることにしたい。