アセビの花:再見

 2週間ほど前にアセビについて記した。このところ、雨が降り、雨に打たれるアセビには妙に心に残る風情があった。ツツジ科のアセビ(馬酔木、梫木)は常緑低木で、2~4月にドウダンツツジに似た壺型の花が枝先から垂れ下がるように咲く(画像)。既にその花を記したのだが、雨の中の花を再度共有したくなった。アセビは日本に自生し、湾岸地域では公園や庭に数多く植えられている。別名は「あしび」、「あせぼ」。自生するアセビの花色は白が基本だが、園芸用としては薄紅色が多い。

 枝葉に有毒成分が含まれていて、馬が食べると、酔って足が萎えることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、それが変化し、「アセビ」となった。既に『万葉集』にもその名が登場し、庭木や盆栽としても普及してきた。

 水原秋桜子の「馬酔木咲く 金堂の扉に わが触れぬ」は私の好きな句だが、素人なりに捻ったのが次の句。

 

参道を 埋め尽くそうと 馬酔木咲く

老いてなお 穏やかならず 花馬酔木