ヒースバンクシアの花

 バンクシーではなくバンクシアはオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州の東部に分布。秋から冬にかけ、細長いタワシのような花をつける。花が咲いた後、松かさ状になり、種子は山火事が起こるまでこの殻の中に留まる。ヤマモガシ(山茂樫)科バンクシア属の常緑低木で、学名はBanksia ericifolia、英名はHeath-leaved banksia。

 バンクシアの実は山火事が起きると、その熱で実が弾けて種子が飛び出す。その結果、山火事で焼けた後の森で、再び生き続けることができる。バンクシアにとって山火事は自然災害ではなく、定期的に起こる自然現象である。それを積極的に活用するのがバンクシア。バンクシアは乾燥して山火事が多く発生する地域で、山火事が繰り返し起きることを計算に入れた生存方法をとったのである。