ガマズミの実

 かつてはどこにもあった落葉低木で、湾岸地域でも主に公園樹として植栽されてきました。名前の由来は諸説あり、鎌の柄に用いられたことから「ガマ(鎌)」、酸っぱい実をつけるので「ズミ(酸実)」が組み合わされたという説があります。名前の由来や別名が多いことは、ガマズミが私たちの生活に密着していたことを示しています。残念ながら、私の子供時代の記憶の中にはガマズミはなく、少々悔しい気持ちです。

 ガマズミは初夏に花をつけ、その後にできる実は9~10月に赤く熟します(画像は赤くなり出したものと赤くなったもの)。実はクエン酸が豊富で酸味が強く、レモン果汁に似ています。最初は酸味が強いのですが、晩秋になれば甘味が増し、生で食べることができます。色合いが良く、大根などの漬物を赤く染める着色料や、果実酒としても使われます。

*画像は次第に赤味が増す実で、食べると、酸っぱいが、味は決して悪くない。

**ガマズミの仲間は多く、コバノガマズミ、トキワガマズミ、ハクサンボク、ヤブデマリ、サンゴジュなどがあり、いずれも実は赤くなる。