タケニグサはケシ科の多年草で、日当たりのよい草原、空地などに見られる雑草。湾岸地域でもあちこちに繁茂していたのですが、最近は空き地が減り、すっかり減りました。その名は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは竹と一緒に煮ると、竹が柔らかくなり、細工しやすくなることから「竹煮草」。
タケニグサは先駆植物の一つで、日当たりのよい都会の荒れ地から山地の崩壊地や伐採跡まで広い範囲に生え、高さ1-2mになる大型の多年草で、根茎は橙赤色で大きい。茎を切ると濃い橙黄色の汁が出ます。汁には有毒なプロトピンやケレリトリンなどのアルカロイドを含み、肌につくとかぶれ、誤食すると嘔吐や昏睡、脈拍や体温低下、呼吸麻痺などを起こします。
*植生が遷移する初期の段階で登場する植物種が「先駆種」で、湾岸地域ではタケニグサと並んでイタドリもよく見られました。
タケニグサは茎の先に大きな円錐花序をつくり、おびただしい数の花をつけます。萼片は2個で白色、長さ約1cmの倒披針形で、開花直前に散り落ち、花弁はありません。雄しべは多数あり、花糸は糸状、葯は黄白色で長さ3-4mmの線形です(画像)。