ヤマボウシの実

 ヤマボウシ(山法師、山帽子)は中国、朝鮮半島、そして、日本に分布し、同じ属のハナミズキに比べると、開花時期が遅い。葉が出た後で枝先に開花するので、サクラのように華やかではないが、花木として好まれ、湾岸地域の公園や街路にもたくさん植えられている。

 花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同じ総苞片(花のつけ根の葉)。本当の花は総苞の中心にある粒状のもの。総苞の色は品種によって白、ピンク、赤などがある。果実は8月から9月に紅橙色に熟し、果肉は粘質で甘く食べられる(ハナミズキの果実には毒がある)。

 名前「山法師」は、中央の丸い花穂を坊主頭に、4枚の白い花びらを白い頭巾に見立て、延暦寺の「山法師」になぞらえたところからつけられた。中国名は「四照花」。

*8月初旬の実はまだ青く、若々しい。