オオバコ科クワガタソウ属に分類される多年草の総称がベロニカ。原産地はヨーロッパ~アジアにかけて200~300種が分布し、日本でも20種ほどが自生する。
インカナ種のベロニカの別名は「シルバー・スピードウェル(silver speedwell)」で、種小名のincanaはラテン語で「白っぽい」、「灰色がかった」を意味している。和名はヒメトウテイランで、白っぽく灰緑色をしたシルバーリーフで、銀白色の外観をもっている。トウテイラン(Veronica ornate) もシルバーリーフが美しい。この2種類のベロニカはとてもよく似ていて、識別が厄介である。
クワガタソウ属には上記のベロニカの他に、お馴染みのオオイヌノフグリ、ベロニカ・オックスフォードブルー、オオカワヂシャなどが含まれていて、実に多彩。これらの画像はまるで似ていないので、同じ属であることの判断が厄介である。ベロニカの仲間は数多く、種類によって姿形がまるで異なる。大きく分けると、穂のような花になるものと、這い性で、小花を咲かせるタイプになる。這い性種の代表のペドゥンクラリスの改良品種のオックスフォードブルーはオオイヌノフグリに似て、春に小さな一重の花を咲かせ、寒い時期には赤茶色に紅葉し、青い花との対比が素晴らしい。
*画像は順にベロニカスピカ―タ(ヒメルリトラノオ)、トウテイラン、マダムマルシア、オックスフォードブルー、オオカワヂシャ