ミズキ科のクマノミズキ(熊野水木、Cornus macrophylla)の名前は発見された三重県の熊野にちなんだもの。クマノミズキは本州南部、四国及び九州の山野に分布するミズキ科の落葉高木。また、「ミズキ」は春先に枝を切ると樹液が滴ることによる。
クマノミズキの庭木としての利用は少ないが、時折公園等に植栽される。庭木として広く普及するハナミズキやヤマボウシは同じミズキ科だが、それらに比べるとクマノミズキの葉は遥かに大きく、花の様子はまったく異なる(画像)。葉の長さは6~15センチ、幅3~7センチの楕円形で、ミズキよりも葉の幅は狭く、先端は尾状に尖る。表面は濃緑色で裏面は白っぽく、6~8対ある葉脈が目立つ。
花期は6~7月で、ミズキよりも遅い。その年に伸びた枝先に白い小花が多数集まって棚状になり、葉を覆うようにして咲く。小花は4本の雄しべと4枚の花弁が目立つ。クマノミズキは山岳地帯や森林地帯に自生する常緑樹で、大きな葉と美しい花が特徴的(画像)である。
今年は既にミズキ科のハナミズキもヤマボウシも花が終わってしまった。ミズキ科でありながら、クマノミズキの花はハナミズキやヤマボウシの花とは随分違う。