モクレンの花変化

 モクレン木蓮、木蘭)はモクレンモクレン属を代表する落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。外側が紫色で、内側が白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代に中国から渡来しました。当初は漢方で「辛夷」(しんい)と呼ばれる蕾を頭痛や鼻炎の薬とするために植えられたようです。

 既にハクモクレンについて記しました。ハクモクレン(白木蓮)も中国原産ですが、モクレンハクモクレンは花色以外にも違いがあります。ハクモクレンは樹高20mに達する高木で、幹が太くなりますが、モクレンは樹高4~5mほどの中高木で、やや横に広がります。また、ハクモクレンは花弁が9枚で、開花後に葉が出るのに対して、モクレンは、花弁が6枚、開花中に葉が出ます。また、モクレンハクモクレンより少し遅れて咲きます(既にハクモクレンの花は散ってしまいました)。

 モクレンには様々な園芸種があり、いずれも「マグノリア」と呼ばれています。モクレンは地球上で最古の花木といわれていて、1億年以上も前から既に今のような形態だったようで、古代木といったところです。画像のモクレンは大木で、園芸種の一つと思われます。

*画像は異なる時期のモクレンの花