ビオラの白い花

 ビオラ(Viola)はスミレ科スミレ属のラテン語名。パンジービオラはヨーロッパに自生する野生種から育種され、かつては大輪のものをパンジー、小輪のものをビオラと呼んで区別していましたが、今では区別できなくなっています。野生種や初期の品種は、冬の低温にあったのちに、長日下で開花する性質をもっていました。でも、今ではその性質が弱まり、秋から春まで長期間咲く品種が多くなっています。

 和名の「三色スミレ」は野生の原種が一つの花に青、黄、白の三色があったことに由来します。学名の「ビオラトリコロール」の「トリコロール」は三色という意味です。江戸末期の日本でも花形が人の顔に似ていたことから「人面草」、また、蝶が舞う姿に似ていることから「遊蝶花」とも呼ばれていました。

 画像は白いビオラで、とてもシンプルです。ビオラやパンジーにまつわる人間的、文化的な垢や埃を取り去り、真っ白なビオラ自体を見つめるのもいいものです。