マユミの実

 今年の9月にキバラヘリカメムシについて記しました。キバラヘリカメムシの群れがマユミとニシキギに集まり、交尾している姿も見ることができました(画像)。12月に入り、既にキバラヘリカメムシの姿はありませんが、マユミの実は熟して裂け、中から紅色の種子が顔を出しています。ニシキギ科のマユミ(檀、真弓、檀弓)の別名はヤマニシキギ(山錦木)。マユミは山地に自生するニシキギ科の落葉樹。これでキバラヘリカメムシがマユミとニシキギを好んだ訳が納得できます。

 マユミは実と種子だけでなく、紅葉も楽しむ庭木で、紅葉や個性的な実を観賞できます。マユミの実は秋に黄色から紅色になるのですが、環境によっては橙色、黄色のままということもあるようです。

 マユミの枝には柔軟性があり、よくしなり、そのため、縄文時代から弓(丸木弓)の材料として使われ、そのため「真弓」と名付けられました。「真」は最も優れていることを表していますから、マユミが高級な弓材であったことが分かります。