ダンドボロギクの野生

 ダンドボロギク(段戸襤褸菊)はキク科タケダグサ属の一年草。草丈50-150cmで、8~10月に薄黄色の花を咲かせる。山地、林縁、道端、公園など、どんな環境にも生育する。山火事の後に大群落を形成するため、英名でfire weedと呼ばれる。その意味は「山火事などで地面が焼けた後、ほかの植物よりも早く生えて群れを成す雑草」ということ。

 ダンドボロギクは北アメリカが原産の帰化植物で、日本全国に広く自生し、花の後に真っ白な綿毛をつけるのが特徴(画像)。葉は食用としても利用でき、シュンギクによく似た味と香りが楽しめる(いずれ試してみたい)。

 ダンドボロギクは1933年に「帰化植物」として、愛知県の段戸山で発見された。花の後につける綿毛がボサボサにつくため、その様子を「ボロ布」という意味をもつ「襤褸(ボロ)」に例え、発見された場所とつなげ、「段戸襤褸菊」と名付けられた。

 ダンドボロギクは「パイオニア植物」である。土砂崩れや森林の伐採などで地面が更地になったときに、真っ先に生えてくる雑草がパイオニア植物。ダンドボロギクの英名の由来にもなっているとおり、山火事が起きた後にもすぐに生えてくるのが特徴。ダンドボロギクはパイオニア植物としていち早く生えてきて、地面を乾燥から守る。

 ノボロギクは「野襤褸菊」と表記され、名前のとおり野に咲くボロギク。花色はダンドボロギクよりも鮮やかな黄色で、温暖地では越年草に分類されている。ダンドボロギクと比べると、葉が肉厚で切れ込みが深い(画像)。

*ノボロギクについては今年の2月28日に「ノボロギクの花」で述べました。

 

ノボロギク