クサギの花と実

 臭木(クサギ)シソ科の落葉小高木。私はいつもその実の瑠璃色に魅了されてきました。クサギは新しく開けた土地に、初めに芽吹いて大きくなる先駆種、つまり、パイオニア植物の一つです。そのため、新しく埋め立てられた湾岸地域にもたくさん見ることができたのですが、開発が進むにつれ、次第にその姿を消しています。

 葉に異臭があることから「臭木」という名前がついたようです。甘い香りがする花は夏に咲き始め、花びらは萼から長く突き出して、その先で開きます(画像)。雄しべ、雌しべはその中からさらに突き出します。花弁は白、実は瑠璃色の液果で秋に熟し、赤いがくが開いて残るため、よく目立ちます(昨年の画像)。クサギの瑠璃色の実は青色の染色材料にされてきました。

 クサギは山菜の一つで、若葉が食用になります。乾燥して保存もでき、生だと野菜と同じように新芽や若葉を青菜として利用し、佃煮にもできます。