オオベンケイソウに集まる生き物たち

 ベンケイソウ科のムラサキベンケイソウ属(Hylotelephium)には、ムラサキベンケイソウ、ベンケイソウ、オオベンケイソウなどの種が属しています。薬用植物のベンケイソウ(弁慶草)の別名がコベンケイソウで、オオベンケイソウと対になっているようです。

 和名ベンケイソウは生命力が強く、茎葉を捨ててもそこから芽を出すので、弁慶に因んで名付けられたとされます。江戸時代『物類称呼』(1775)によれば、花のついた茎葉を糸で吊しておくと、乾いてしぼんでいても雷鳴が轟くと色を増すと述べられています。日本へは遣唐使などによって中国から渡来したと言われています。

 全体に多肉質で緑白色をしていて、北海道には近縁種の紫弁慶草(ムラサキベンケイソウ)が自生しています。園芸用のほとんどは大弁慶草(オオベンケイソウ)です。画像はそのオオベンケイソウとそこに集まる生き物たちです。

ハナムグリは、体長1.5~2cmのコガネムシ科の昆虫です。「花潜」(ハナムグリ)と書くように、花に潜るようにして花粉や蜜を食べます。でも、花びらや葉は食べません。ですから、花や葉を食べる害虫コガネムシと違って、ハナムグリは益虫です。コアオハナムグリは10-14㎜で、緑色~銅色の体に、白点を散りばめた小さなハナムグリ。体表にはうぶげ状の細かい毛がたくさんはえています。

**瑠璃色のものがルリチョウレンジ、黄色の帯をもつのがオオフタオビドロバチ、蝶はアオスジアゲハです。