ザクロの花と若い実

 6月にザクロ(石榴)の花が咲いたと記した。9月に入り、ザクロの実が大きくなり始めている。子供の頃、近所にザクロの木があって、不規則に裂けた実と種の多さ、そして酸っぱく、プチプチとした食感が強く記憶に残っている。確かにザクロは西南アジア原産で、日本へは10~11世紀頃渡来。種(タネ)が多いことから、アジアでは昔から子孫繁栄、豊穣のシンボルだった。唯一の女性は「紅一点」だが、これは王安石がザクロの林の中に咲く花を詠んだ詩から出た言葉。

 子供の私にはザクロやブドウはシルクロードで運ばれてきたエキゾティックな果物だった。ザクロの原産地ペルシャは現在のイラン、アフガニスタン辺り。ザクロはペルシャから地中海沿岸を通り、ヨーロッパへ、そして、 東はシルクロードを経て中国、日本へと渡ってきた。イランでは、昔からザクロが「果実の王様」。