アガスターシェ(ブラックアダー)、あるいはアニスヒソップの花

 シソ科のアガスターシェ(ブラックアダー)は非常に濃い紫色の萼をもつ園芸品種。花は淡い青色の小花が落ちても、濃い紫色の萼が残る。開花時期は初夏から秋(6月~10月)、個々の花は濃い紫色の萼から淡い青色の唇形を出し、花序は小花が穂状に集まる。草姿は直立で高さは約90cm × 幅は約60cmまで成長。暑い今の季節には清涼感があり、つい見惚れてしまう。

 アガスターシェはハーブの世界ではアニスヒソップと呼ばれ、密源(ミツバチが蜜を集める植物)やエディブルフラワー(食用の花)、ハーブティーなどに利用される。アニスヒソップの先がとがった卵形の葉には、セリ科のアニスのタネに似た甘くすっとする香りがあり、原産地の北米先住民はのどの薬などとして古くから内服してきた。