ラクウショウの実

 ラクウショウ(落羽松)は北米東部原産で、スギ科ヌマスギ属の落葉する針葉樹です。沼や湿地等のジメジメした木陰を好み、気根(呼吸根)が発達し、高さ50㎝程の独特の気根を地上に出します。これは膝根ともよばれ、根の上側が成長して空気中に出てくるものです。ラクウショウの根元近くに、頭を出す多数の気根は見ものです。ヌマスギ(沼杉)とも呼ばれます。メタセコイアに似ていますが、ラクウショウの葉は互生(互い違いに葉がつく)、メタセコイアは対生(左右そろって葉がつく)。丸くて大きい実ができます(画像)。

 日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽されます。ラクウショウという名前は、秋になると羽状の葉が枝ごと落下することによります。漢字では「落羽松」ですが、マツの仲間ではなくスギの仲間です。

 ラクウショウは雌雄同株で、4~5月頃に雌雄の花を咲かせます。花の後には球形の種子ができ、10~11月になると暗褐色に熟します。原生地での樹齢は長く、中には千年を超えるものもあり、巨木になると樹高は50m、幹の直径は5mに達します。