ディエテス・ビコロルの花(1)

 これら4枚の画像の花色は肉眼ではほぼ同じに見えます。光の加減で白ともクリーム色とも言えてしまうのですが、実際はとても淡いクリーム色です。その見事な色に魅了され、1か月以上その花の名前を探していたのですが、どうやら特定することができました。

 名前を知ることがその名前の対象を知ることではないのですが、人の性で名前がわからないと対象を知ることにはならないと思ってしまうのです。名前が未知だと、その花が和風か洋風かさえ、自信をもって言えないというのは、何とも情けないのですが、人は言葉に牛耳られているとつくづく感じました。

 ショウブは「菖蒲」と書かれますが、アヤメとも読めます。植物のショウブはサトイモ科に属し、アヤメ科のカキツバタハナショウブは別物です。さて、そのアヤメ科に属するディエテス・ビコロル(Dietes bicolor、英語ではAfrican iris)が今回の主人公。日本では花ではなく、葉が華道で使われるようです。

 原産地の南アフリカでは広く栽培されており、公園や公共施設、道路脇などに植えられているようです。花は春から夏にかけて咲き、オレンジ色に縁取られた黒に見えるほど濃い紫色の斑紋が三つあります(画像)。園芸種として「常緑アヤメ」とよばれ、他にも二種類ほど栽培されています。

 まずは、私が魅入られた薄く、淡いクリーム色(和の色名では「若芽色」か)の花を味わってください。