アワフキムシの泡

 茎に白い泡がついている。泡の中を見たい衝動に駆られながら、何とかそれを押さえ、観察だけで我慢する。調べてみると、セミの仲間のアワフキムシの幼虫の巣(画像)。アワフキムシは植物にとっては致死的な植物病原性細菌、つまりピアス病菌を媒介する害虫。

 幼虫は植物の汁を吸って生きている。体内で栄養分だけを吸収して、余分な水分は排泄する。この尿に自らが分泌する有機物を溶け込ませて、幼虫は「石けん」を作り出す。この石けんを泡立て、泡の固まりを巣にする。巣の中にいれば外気の変化から身を守ることができ、アリなどがこの泡の巣に入ると、石けんの水溶液で溺れ死んでしまう。こうして、泡の巣は幼虫にとって快適な環境なのである。

 こんなことがわかり、泡をそのままにしたことが良かったのかどうかわからなくなった。