タイサンボクの花

 三日前には大風が吹き、一昨日はたくさん雨が降りました。気になっていたのがタイサンボクの花で、案の定雨の上がった昨日の午後に見ると、無残な姿になっていました。大輪の花は風雨に弱いことが改めてわかりました。

 タイサンボク(泰山木、大山木)の名前は花、葉、樹形などが大きくて立派なことを賞賛しようと、中国山東省の泰山に喩えたものです。また、花の形を大きな盃に見立てて「大盃木」、それから次第に訛って「泰山木」になったという説や、大きな樹形が大山のように見えるところからきているという説があります。

 タイサンボクはモクレン属の常緑樹で、学名はMagnolia grandifloraモクレンは3月から4月初旬に開花するが、タイサンボクは今頃花が咲いています。タイサンボクの花は頭上のものが多く、意外に気づかれません。そのため、下から指をくわえながら見上げるしかありません。外観や中国風の名前から中国原産と思いがちですが、タイサンボク自体は北米南部が原産で、なんとミシシッシピー州とルイジアナ州の州花です。

 タイサンボクは公園樹としてよく植栽されていて、樹高20m以上にもなります。5月から6月にかけて咲く花は直径10センチから20センチと相当に大きく、芳香があり、特に咲き始めは強く香ります。

モクレンは中国原産、タイサンボクは北米原産となれば、私などはハスとスイレンを思い出してしまいます。ハスの原産地はインドで、先史時代に渡来したようですが、スイレンヒツジグサ、エゾノヒツジグサが日本に自生し、それら以外は渡来したものを交配した園芸種です。