初夏のナガミヒナゲシの花たち

 5月に入り、野原や道端には色んな花が咲いている。園芸種の幾つかも半ば野生化して、野生種と共存している。湾岸地域で特に目立つのがナガミヒナゲシ(ポピー)で、今年は例年以上に目立つ。ナガミヒナゲシは国立環境研究所の侵入生物データベースに載る外来植物で、1961年に日本に入ってきてから、わずか50年足らずで日本全国に生息域を広げている。

 日本でポピーと言うと一般的には園芸種のアイスランドポピー(画像)やシャレーポピーを指すことが多いが、ケシ属を英語でPoppyと言うので、ナガミヒナゲシもポピーである。ナガミヒナゲシの開花時期は4~6月で、一つの実(花が咲く部分)から1600粒の種が取れ、一つの個体が100個の実をつけることから、合計で15万粒もの種が取れる。タンポポは一つの実から200〜300粒の種が取れるが、それと比べても、ナガミヒナゲシの繁殖力の強さがわかる。

 ナガミヒナゲシに麻薬成分は含まれていないが、アルカイド性の有害物質が含まれ、素手で触るとかぶれる恐れがあり、注意が必要である。

アイスランドポピー