モクレンの花たち

 モクレン木蓮、木蘭)はモクレンモクレン属の落葉低木。花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。外側が紫色で、内側は白色の花を春に咲かせるモクレンは、平安時代に中国から渡来しました。本来は漢方で「辛夷」(しんい)と呼ばれる蕾を頭痛や鼻炎の薬とするために植えられたようです。

 最近は同じく中国原産のハクモクレン(白木蓮)がより広く栽培されています。既に3月24日にハクモクレンについて述べましたが、モクレンハクモクレンは、花色以外にも違いがあります。ハクモクレンは樹高20mに達する高木で、幹が太くなりますが、モクレンは樹高4~5mほどの中高木で、株立ちになりやすく、やや横に広がります。また、ハクモクレンは花弁が9枚で、開花後に葉が出るのに対して、モクレンは、花弁が6枚、開花中に葉が出て、花が終わるころには葉に隠れてしまいます。また、モクレンハクモクレンより少し遅れて咲きます。

 モクレンには様々な園芸種があり、「マグノリア」と総称されています。モクレンは地球上で最古の花木といわれていて、1億年以上も前から既に今のような形態だったらしく、古代木といったところです。香水の材料としても使われ、欧米では椿(つばき)類、躑躅(つつじ)類とともに三大花木とされています。画像のモクレンハクモクレンのように大木で、園芸種の一つと思われます。