レンギョウの花

 湾岸地域の公園や道筋で目立つのがレンギョウ(連翹)の黄色の花で、それが今一斉に咲いています。葉が出る前に一斉に咲き出し、黄色で埋まります。レンギョウはモクセイ科レンギョウ属の総称。古名は「鼬草」(いたちぐさ)。レンギョウは中国原産で、江戸時代に渡来し、主に観賞用として栽培されていました。英名では「golden bells(金の鈴)」と呼ばれるレンギョウは、早春に鮮やかな黄色い花を枝いっぱいに咲かせます。花は合弁花と呼ばれ、4枚の花びらがあるように見えますが、根元は筒状になって合体しています。花の内側はオレンジ色を帯びています。

 レンギョウは雌雄異株の落葉低木で、若枝は長く伸び、垂れた枝が地面につくと、すぐにそこに根付き、新しい株を増やしていきます。高さは2-3m。レンギョウの枝を斜めに切ると中空ですが、近縁のシナレンギョウは髄に仕切りが現れ、その枝は直立します。

 果実は芳香があり、なめるとわずかに渋味があります。果実は完熟する前の秋に採取され、それを茶褐色になるまで日干ししたものが生薬のレンギョウです。生薬レンギョウにはチフス菌、パラチフス菌、大腸菌ブドウ球菌、肺炎双球菌などに対して強い抗菌作用があります。また、消炎、利尿、排膿、解毒薬としても使われています。

 普通のレンギョウの他に「支那連翹(シナレンギョウ)」、「朝鮮連翹(チョウセンレンギョウ)」がよく知られています。

レンギョウ(連翹)は花の黄色が見事で、正にGolden bellsです。「いたちぐさ」という別名は『和名抄』に生薬の名として登場しています。季語は「れんぎょう、れんげう」。
 雪解風連翹黄を発しけり(久保田万太郎
*雪解風(ゆきげかぜ):雪が解ける時にふく風

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