オオイタドリの雄花

 湾岸地域には先駆植物が多い。埋立地に自然に生息し始めた植物がまだところどころに見られるが、イタドリはそのような植物の典型例。タデ科のイタドリの名前は痛みを取るので「痛み取り」、表皮から糸状の繊維をとるので「糸取り」という説がある。

 イタドリは人里近くから山地まで、日当たりのよい裸地や土手などに生える雌雄異株の多年草。根茎は黄色で木化してよく横に伸び、群落をつくる。茎は太くて中空、初め紅紫色の斑点があり、高さ0.3-1.5mになる。若芽は赤紫色を帯びる。葉腋や枝先から円錐状に集まった総状花序を出し、小さな花を多数つける。

 葉が展開する前の太くみずみずしいものは、酸味があって食用になる。スイバ、スカンポとよばれて親しまれ、皮をむいて塩をつけて食べ、お浸し、和え物などにされる。

 海外には初め観賞用に持ち出され、のちに飼料や砂丘地の安定などのために栽培されるようになり、今ではヨーロッパや北アメリカ、ニュージーランドなどに帰化し、危険な帰化植物になっている。イギリスの株は雄花が不稔で、栄養繁殖で殖えているという。

 オオイタドリはイタドリに似ていて、イタドリより大型であることからその名前がついた。海岸から亜高山帯まで日当りが良ければ幅広い環境に生え、高さ1-3mに達する大型で雌雄異株の多年草。茎は緑色、ときに紅色を帯び、中空で太く、筋があって直立し、下部は無毛で上部は短毛が密生して弓状に傾く。花期は7-9月で、雌花は垂れ下がり、雄花は立ち上がる(画像はオオイタドリの雄花)。

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