コブシの新芽と実

 コブシのグロテスクな実が早くも色づき始めている。そして、その実の横にはネコヤナギに似た新芽が出て、青葉の中で共存している。実が赤くなり始める時期に既に芽が出ていることを私は知らなかった。コブシは花が美しいだけではなく、実も芽も面白い。

 コブシは北海道から九州までの山林や原野に自生するモクレン科の落葉広葉樹。早春に香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを告げる里山の花木で、演歌にも歌われている。葉が大きくて木陰を作りやすいため、街路樹や公園樹としての利用も多く、湾岸地域でもよく見ることができる。コブシの開花は3月下旬~4月上旬で、ソメイヨシノより早い。

 実は長さ10センチ前後に及ぶ集合果。コブシという名前は、子供の握り拳に似る果実に由来するが、果実の形は個体差が大きい。コブシの蕾や実は噛むと辛みがある。別名の「ヤマアララギ(山蘭)」や古名の「コブシハジカミ(辛夷椒)」はこれに因む。

f:id:huukyou:20210725064901j:plain

f:id:huukyou:20210725064918j:plain

f:id:huukyou:20210725064934j:plain

f:id:huukyou:20210725064952j:plain