オニユリの花

 私にとってユリの花となれば、オニユリの花。それは私の子供時代の記憶に遡り、今よりずっとオニユリが私の周りにあったからである。夏の花となれば、記憶の中にはヒマワリとオニユリが主役として存在し、ヒマワリは子供の、オニユリは大人の花だった。

 オニユリはグアム東部、中国、そして日本に自生する。日本では北海道から九州の平地から低山で普通に見られ、一説には中国からの渡来種と言われている。オニユリの花は花径10cmほどで、花びらは強く反り返り、橙色の地に褐色の斑点が花全体に入る。草丈は80cm以上で、大きなものでは2m程になり、30輪以上の花をつける。葉は互生で互い違いに付き、葉の形は小さめで平たくて細長く、先のほうがゆるく尖り、基部のほうがやや広い。

 

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7月に入り、湾岸地域でもオニユリの花が咲き出している。花の色や形から赤鬼を連想させることから「鬼百合」という名前になった。6月頃、葉の付け根に暗紫色のムカゴ(珠芽)を、たくさんつけるのが特徴である。「むかご」は茎や葉のつけねなどにできる、養分をためた小さなかたまりのこと。