神道と仏教についてどのように考えるのが適切なのか、素人の考えを述べて見ます。
まず、神道には教義がありません。これは致命傷です。仏教に最初から白旗を挙げるようなものです。儀礼的な事柄が中心で、学術的な主張がない神道とは対照的に、仏教は洗練された知的な宗教システムをもっています。また、神道では神の数は無限と考えられていて、「外来の神」を否定することさえできません。神道は死を「ケガレ」として忌み嫌います。でも、仏教は死を忌み嫌うどころか、それを契機に解脱が説かれています。死者を弔うことに圧倒的に優れていたのが仏教でした。さらに、仏教は国を守る護国思想として政治的にも優位を占めることになります。また、先端医療技術を持ち合わせていたのは神道ではなく、仏教でした。例えば、仏教には「五明(ごみょう)」という専門領域があり、その中には数学、暦、医学、薬学と言った先端技術が含まれていました。
最後に、仏教には天才的な僧が数多く存在します。中国や朝鮮半島から渡来した僧たちだけでなく、日本にも最澄や空海、さらには法然、親鸞、日蓮といったスターが登場します。でも、それに対応する神主を挙げてみよと言われると、困ってしまいます。
こうして、最初に述べた「教義」とそれに基づく知識や技術の存在が、神道と仏教の様々な違いを生み出してきたと言えるのですが、仏教全体をうまく利用したのが神道だと考えることができます。